文書保管倉庫業に特化したシステム採用で、
安全・正確な書類管理と業務効率化を実現

ギオングループ(以下、ギオン)は、全国90拠点以上で物流サービスを展開する総合物流企業です。同社では、機密文書や重要書類の保管業務において、老朽化した従来システムの継続利用に課題を抱えていました。運用と合わない仕様やセキュリティ面への不安が高まる中、入出庫在庫管理システム「ORBIS-Ⅵ 文書保管」を導入。これにより、書類を安全かつ適切に一括管理できる体制を構築し、寄託者からの信頼向上につながる運用を実現しています。


株式会社ギオン

  • 2025年3月現在
  • 本社  : 神奈川県相模原市
  • 資本金 : 4,672万円
  • 売上高 : 542億円
  • 社員数 : 4,000名
導入の背景と課題

老朽化したシステムと文書保管特有の課題に直面

ギオンが抱えていた最大の課題は、スクラッチ開発された旧システムの不透明さと使いにくさにありました。どの部分がどのようにカスタマイズされているのか把握できず、運用に沿わない仕様や統一性のない画面構成によって、現場では「操作が分かりにくく、説明もしづらい」という声が上がっていました。また、バックアップ体制やセキュリティへの不安が残っていたうえ、OSを含むインフラ環境のサポート終了も迫り、継続運用そのものがリスクとなっていました。
さらに、文書管理の対象は、官公庁・民間企業・医療機関など多岐にわたり、個人情報や技術資料、長期保存文書など厳格な管理が求められます。他倉庫からの移管や初回登録時には、大量の文書箱のバーコードを貼り替える必要があり、「貼り替えを間違えたら事故につながる」という現場の懸念が常に付きまとっていました。こうした複合的な課題を踏まえ、ギオンでは「安全性・操作性・将来性を兼ね備え、文書保管業務に適合した新システムへの刷新」が急務と判断されました。

選定の理由

文書保管に強い標準機能と同業者の評判も採用を後押し

「ORBIS-Ⅵ 文書保管」を選定した最大の理由は、文書保管業務に必要な機能が標準で備わっており、「何ができて、何ができないか」が明確だった点です。従来システムのように仕様が不透明で用途が限定されることがなく、標準機能の範囲が理解しやすいため、導入後の運用を具体的にイメージできる安心感がありました。また、新規文書預入依頼や閲覧依頼、保存期限管理、廃棄依頼など、文書保管特有の運用に対応できる点も大きな決め手となりました。医療機関のカルテのように、三階層での管理ケースにも標準機能と最小限のカスタマイズで対応でき、多様化する顧客ニーズに対応できました。

今回の導入において注意した点

既存バーコードの流用で業務を止めない移行を確立

導入時の最大の懸念は、既存文書箱に貼付されたバーコードをどう扱うかでした。貼り替えを前提とした場合、現場への負担は極めて大きく、誤貼付による事故リスクも避けられません。「ORBIS-Ⅵ 文書保管」では、この課題に対して既存のバーコードをそのまま取り込める仕組みを使用することで貼り替え作業を不要とし、移行作業を短期間かつ正確に完了させました。
旧システムからの移行、他倉庫からの移管など複数フェーズの移行でも、担当SEが細部まで丁寧に対応した結果、現場からは「すべて事故なくうまくいった」という評価が寄せられています。

導入効果

約三万点の貼り替え回避で現場の生産性が大幅に向上

「ORBIS-Ⅵ 文書保管」の導入により、ギオンでは文書保管業務の運用負荷が大幅に軽減されました。貼り替えが必要だった約三万点のバーコードをそのまま活用できたことで、移行作業に伴う作業量と誤貼付リスクを大幅に削減。また、統一された画面構成により、操作方法の説明が格段に容易になり、寄託者用 Web画面を中心とした問い合わせも明確に減少しました。
さらに、業務フロー全体が説明しやすくなったことで、新規寄託者への案内や営業活動もスムーズになり、「提案しやすくなり営業がやりやすくなった」という現場の声も上がっています。また、情報システム部門を持たないギオンにとっては、移行から運用フェーズまで一貫して寄り添うサポートが大きな安心につながりました。担当者からは「最後は人の手。そこを理解してくれているのが安心」との声もあり、丁寧な伴走支援がスムーズな運用定着に寄与しています。
これらの取り組みにより、現場作業の効率化、問い合わせ対応の減少、営業力向上、そして運用の安定性向上が同時に実現。文書保管業務全体の生産性を押し上げる成果につながっています。

未来への展望

紙文書から電子文書へ 文書保管サービスのデジタル化

近年、文書管理を取り巻く環境は大きく変化しており、紙媒体から電子文書への移行が急速に進んでいます。ギオンでも、これまで紙で取り扱ってきた文書の電子化需要が高まっており、電子データの保存や閲覧をどのように実現していくかが、今後の重要な検討テーマとなっています。 現在も紙文書の電子化サービスは提供していますが、電子化した文書をWeb上で閲覧する仕組みはまだ整っていません。保存義務が残る紙媒体と電子データの双方を適切に管理し、必要な時にすぐ参照できる環境を整備することが、サービス品質向上につながると考えています。
今後は、電子データ化・閲覧までを一体として提供できる体制を整え、荷主が必要なタイミングでスムーズに情報へアクセスできる環境づくりを進めることで、文書保管業務寄託者にとってより利便性の高い文書保管サービスへと発展させていくことが、ギオンの描く次のステージです。